2011 TOKYO近郊散歩01 「荒幡富士へ」/

Walking in TOKYO Suburbs 01 "To Mt. Arahata Fuji" (English)

関東地方では三寒四温が益々「温」の方に傾いてきた。冬眠中だった我が家のカメもゴソゴソ動きおはじめている。ここまで来るともうどうにもじっとしていられず、私も歩きに出かける。とは言え諸般の状況から遠出はできないので例によって近場を探索である。長年この土地に住んでいても案外未踏の場所があり、その一つが「荒幡富士」であった。

日本人の富士山に対する憧れ、畏敬の念には特別なものがある。富士を「不二」とも呼び「霊峰」と称する。山手線の窓から富士を遠望することのできるスポットが遂に消えたというのは2010年のニュースになった。平らな関東平野に住んでいると山が恋しい。一時間も電車に揺られれば山地に近づけるのだが、なかなかそれも叶わない。ところが空気の澄んだ日にたまさか富士山の見えることがある。日頃山になど全く無関心の人々さえ、「今日は富士山が見えますね」と嬉しそうに語り合う。山梨県から来た学生は「富士山は静岡のものだと思っている人が多いですが、富士山は山梨です」と気色ばむ。

かくて富士信仰というべきものは、各地に富士山のレプリカを生むまでに至る。富士と言ってもあの山容を模すのはいかにも困難であるから、その地で一番高い築山をこしらえ展望台とする。うまくいけば、そこに上ると地上からでは仰げない本物の富士山を遥かに見晴らすこともできる。そしてその山裾には「浅間神社」が鎮座する。(というよりむしろ、神社境内に富士を築いて信仰心を煽ったということか。)

本日の散策は埼玉県所沢市の「荒幡富士」。「明治17年(1884)から約15年かけて氏子民心統一を目的に作られた人工の富士山で、今も地元の方々によって守られている。(中略)荒幡富士の標高は約119メートル、一合目、二合目と標石があり、中には築山当時のものもある…」(『トトロのふるさと-狭山丘陵見て歩き』幹書房 2008 p.124) 私も高いところに上ってみるのが大好きである。それが都会の高層ビルであれ、築山であれ、いざ展望j台へ!果たして、たどり着いた荒幡富士の頂上は視界360°。東京都と埼玉県県境地域が一望でき、気象条件さえ整えば確かに秩父連峰も富士山も見晴らせる絶景が広がっていた。狭山丘陵の魅力が存分に味わえる景勝地というべきか。19世紀の終わりにこの地の人々が見た夢は、21世紀に受け継がれている。

(写真で一目瞭然と思いますが、関東平野は本当にフラットです!海や山に憧れる気持ち、お分かりいただけるでしょうか・・・。)

不定期に散策記録を掲載します。お問い合わせなどは、こちらへどうぞ。

 

北山公園から八国山緑地を望む

 

北山公園の梅は今満開

 

梅の木の下で憩う人あり

 

八国山尾根道へ入る手前の広場

 

緩やかな道を尾根道に登る

 

尾根道の雑木林には日が降り注ぐ

 

西側入り口の標識

 

一歩尾根道を外に出るとコンクリートの街

バス通りをしばらく歩く(三角地の蕎麦屋)

 

車の通りが途絶えると静かな道

 

早春に彩りを添える花の木

光蔵寺の山門には「荒幡山」の額が

 

住宅地を登っていくと畑もそこここに

 

西側に展望が開け始める

 

緑色の扉の向こうは・・・

 

びっしりと家やビルの建つ市街地

 

手前は所沢市の「ドレミの丘」

 

芝生の丘から市街地を見晴らす

 

ドレミの丘にあるのは水飲み場くらい

 

この丘は2000年に市民から市が譲り受けたものと書いてある

 

荒幡富士へ向かう道沿いは手入れの行き届いた農地

 

茶畑で作業する姿も

 

早春の庭畑

 

斜面を利用した畑

 

樹木の生い茂る丘陵の頂上に建つ標識

 

こんな山道を行く

 

来た鬱蒼とした道

 

神社脇の道

 

浅間神社

荒幡富士全景

 

登山道から神社境内を見下ろす

 

登山道

 

南東の方角(東村山駅北口の高層ビルが見える)

 

南西の方角(西武園遊園地の観覧車が見える)

 

北の方角(小手指の市街地までみえるとのこと)

 

北の方角拡大

 

こちらは南の眼下に広がる西武園ゴルフ場

 

 

西側、秩父連峰の案内板

左から順に大山、塔ノ岳、丹沢山、蛭ヶ岳、大室山、富士山、陣馬山、辻野峠、尾 摺山、三峰山、大岳山、御前山と読める。

ひとつの丘陵を下って、次のへ至る途上で見た梅林と畑

 

所沢市第五文化幼稚園自然観察園

 

鳩峰公園へ至る道

 

林の中の標識

 

ここはトトロの森2号地でもある

 

久米水天宮下

 

住宅地の一端が八国山緑地への入り口である

 

石段を登っていくと尾根道に至る

 

早、日も落ちかける尾根道

 

本日の経路: (自宅・東京都東村山市西端 - (自転車) - 北山公園 - (徒歩) - 八国山尾根道歩き - 松が丘西 - 光蔵寺 - 荒幡小学校 - ドレミの丘 - 浅間神社 - 荒幡富士 - 所沢市第五文化幼稚園自然観察園 - 獣魂碑 - 鳩峰公園 - 久米水天宮前 - 八国山緑地 - 北山公園 - (自転車) - 自宅)

 

徒歩と自転車合計約3時間半の行程(北山公園往復なら約3時間で十分です。)

参考資料: 『トトロのふるさと-狭山丘陵見て歩き』(幹書房 2008) - 写真と地図満載

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